インビザライン矯正中の虫歯と6つの虫歯対策
代表的なマウスピース矯正のひとつであるインビザラインは、自分で着脱できることが最大のメリットです。
従来のワイヤー矯正のような固定式の治療法では、装置周辺に汚れが付着しやすく、歯ブラシがしづらいために虫歯になるリスクが高いというデメリットがありました。
インビザラインは、そのデメリットを克服できる矯正法ではあるものの、それでも虫歯になることがあります。
「インビザラインだからと大丈夫と思っていたら検診で虫歯があると言われた」「マウスピースを着けたままついジュースを飲んでたら虫歯ができた」など、インビザラインの安心感から油断して虫歯になってしまうケースも見受けられます。
この記事では、インビザライン矯正中の虫歯との関係について解説します。
この記事を読むことで、インビザライン矯正中に虫歯にならないようにするための注意点や対応策を理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解決!
- インビザライン矯正中に虫歯になる原因は?
- インビザライン矯正中で虫歯にならないための6つの対策とは?
- インビザライン矯正中に虫歯になった時の対応は?
目次
なぜインビザライン矯正中に虫歯になるのか
インビザラインでの矯正治療中は、透明なマウスピースを使用します。透明なマウスピースの中は密閉空間になり、空気が薄い状態にもなるため、口腔内の細菌が増殖しやすい環境が整います。細菌が増殖しやすい環境で、口腔内のお手入れが疎かになると、虫歯は容易にできやすくなります。
またインビザラインでは、アタッチメントというマウスピースの維持や歯に矯正力をかけるためのプラスチックの突起を歯の表面に付与します。このアタッチメントにも突起状になっているがゆえに汚れがつきやすいため、お手入れが疎かになると、アタッチメント周囲が虫歯になります。
インビザライン矯正で虫歯にならないための対策
インビザラインの矯正期間中に虫歯にならないためには、どうしたらよいのでしょうか?虫歯にならないための対策を紹介します。
定期的に歯科医院でクリーニングをする
歯科医院での定期的なクリーニングは、インビザラインでの矯正治療中だけでなく、一般的な虫歯予防としても重要です。
歯ブラシや糸ようじを使用した日頃ご自身で行うセルフケアだけでは、どうしても汚れが残ってしまいます。また、汚れが残ってしまうと、やがてセルフケアでは除去できない歯石に変化します。それらをカバーするのが、歯科医院でのクリーニングであるプロフェッショナルケアです。
プロフェッショナルケアは汚れを落とすだけでなく、汚れが再びつかないように歯の表面を滑沢にします。
フッ素を活用する
フッ素には歯質を強化して虫歯を予防する効果、再石灰化(酸によって溶けてしまった歯の表面のカルシウムを沈着させる)の促進による虫歯の予防効果、細菌が酸を出す酵素を阻害することによる虫歯の予防効果の3つがあります。
歯科医院では高濃度のフッ素塗布を受けることができますが、ご家庭では低濃度のフッ素を継続的に塗布していくことになります。ご家庭で使用するフッ素はジェルやフォームが中心ですが、インビザラインではマウスピースを利用して矯正を行うので、マウスピースの内面に薄くフッ素のジェルやフォームを塗布して、フッ素の効果を得るのもお勧めです。
セルフケアを充実させる
セルフケアを充実させることで、インビザラインでの矯正中でも虫歯になりにくくなります。
具体的には、デンタルフロスや歯間ブラシだけでなく、電動歯ブラシやエアーフロスを使用すると効果的です。電動歯ブラシは、一般的な歯ブラシに比べて清掃能力が高く、エアーフロスも通常のフロスではやりにくい奥歯の清掃を簡単にすることができます。
マウスピースをしっかりと洗浄する
インビザラインで使用するマウスピースをしっかりと洗浄することは、口腔内の細菌数を減らすためにとても大切です。
マウスピースは見た目以上に複雑な形をしており、綺麗に使用していないと細菌の温床となってしまいます。水で洗うだけでなく、専用の洗浄剤を使用すると綺麗になります。洗浄剤には、泡が出てくるフォームタイプと錠剤を水に溶かせて洗浄する錠剤タイプの2種類があります。
こまめに水分を摂る
マウスピースを長時間口腔内に装着すると、口腔内が乾燥します。口腔内が乾燥すると、細菌数が増加して虫歯になりやすくなります。
コーヒーやジュースなどを飲む際はマウスピースを外してから飲む必要がありますが、水であればマウスピースを装着したままで飲んでも問題ないので、こまめに水分を摂ることをお勧めします。
飲食の時はしっかりと外す
食事の時はマウスピースが破損する可能性があるため、基本的にはマウスピースを外すことが原則です。例えマウスピースが破損しなかったとしても、マウスピースの内面と歯の間に食片が入り、虫歯を引き起こす可能性があります。
もしインビザライン矯正中に虫歯になってしまったら
インビザラインで矯正中に虫歯になってしまった場合は、優先して虫歯の治療を行うことになります。
小さい虫歯の場合は問題ありませんが、大きな虫歯の場合は大きな詰め物や被せ物が歯に入るため、作製済みのマウスピースが装着できなくなる可能性があります。その場合は再度マウスピースの型取りをして、治療計画を修正し、マウスピースを作り直すことになります。
マウスピースをもう一度作り直すことになっても、通常は追加料金がかからないことがほとんどですが、治療の契約内容によっては費用がかかる場合があるため、契約する前に確認すると良いでしょう。
【まとめ】インビザライン矯正中の虫歯と6つの虫歯対策
インビザライン矯正中の虫歯について、解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- インビザラインのマウスピース内は空気が薄く、細菌が増殖しやすいことや突起状のアタッチメントに汚れが付きやすいことから、お手入れが疎かになると虫歯になりやすくなる
- インビザライン矯正中に虫歯にならないための対策として、「定期的な歯科医院でのクリーニング」「フッ素の活用」「丁寧なセルフケア」「マウスピースの適切な洗浄」「こまめな水分補給」「飲食時は外す」の6つがある
- インビザライン矯正中は、虫歯の治療を優先して行うが、治療によってマウスピースが入らなくなった場合は作り直しになることもあるため、その費用については契約前に確認しておく
インビザラインは、比較的虫歯になりにくい矯正治療とされていますが、使用時の注意点を守らなければ虫歯になることがあります。せっかく歯並びがきれいになっても、虫歯による歯へのダメージや治療計画への影響は計り知れません。
そこで、インビザライン矯正中に虫歯になることがないよう、きちんとした予防や対策を講じることが大切です。
東京歯並び矯正歯科では、プランによって対応が変わってきますが、インビザラインの保証期間内であればマウスピースの再製作費用は不要です。もちろん、虫歯にしない、ならないための指導やサポートにも力を入れており、治療終了までしっかりとした管理体制を備えて治療を行っています。