インビザライン矯正の効果(変化)はいつから実感できる?
インビザラインは代表的なマウスピース矯正のひとつで、患者さんが歯並びの変化を自分の目で実感しやすい治療法です。ただし、治療の効果は歯並びの状態や装置の装着状況などによって個人差があり、いつから効果を感じられるかは一概に言及できるものではありません。
治療期間が長期にわたる矯正治療ですので「治療の効果が出ているのか、いまひとつピンとこない」「歯並びが変化しているのか不安」という患者さんは少なからず存在します。
この記事では、インビザライン矯正の効果が出る時期について解説します。
この記事を読むことで、インビザライン矯正の効果が実感できる時期や実感できない場合に確認すべきことが理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解決!
- インビザライン矯正の効果を実感できるのはいつから?
- インビザラインの効果が実感できない場合の対処法や原因とは?
- ワイヤー矯正とインビザライン矯正における効果の実感の違いとは?
目次
インビザライン矯正の効果はいつから実感できるか
1枚のマウスピースで歯が動く量は、およそ0.25㎜です。
マウスピースは1週間から2週間で交換するため、歯が動く量は1か月で最大1㎜程度です。よって歯の動きがわかりやすい「すきっ歯」のような空隙歯列では、少しの移動量でもすぐに効果を実感できますが、例えば重度の乱杭状態の歯並びのような叢生では、効果を実感するのに少し時間がかかる可能性があります。
何故ならば重度の叢生の場合、歯列全体を動かすことが多く、その場合は臼歯部からまず動かします。よって動きがわかりやすい前歯部は後から動かすため、矯正治療の効果を実感しにくいのです。
インビザライン矯正の効果が実感できるのは、結論としては早くて2か月くらい、遅いと半年くらいかかる場合もあります。歯が1㎜動いたとしても動いたと感じる人もいれば、動いていないと感じる人もいるので、効果の実感という意味では主観的な面も考慮すると、一概にこの期間と定めるのは難しいです。
インビザライン矯正で効果が実感できない場合
では効果が実感できないこともあるのでしょうか?
その場合、どのようにすればいいのかも説明していきます。
クリンチェックで確認してみる
インビザラインシステムの特徴として、クリンチェックという高性能のシミュレーションソフトがあります。
このシミュレーションソフトは治療計画を立てる歯科医師だけでなく、実際の歯の動きを3Dで患者さん自身も確認することができます。もし治療の効果が実感できない場合は、一度かかりつけの歯科医院にクリンチェックでのシミュレーションを見せてもらうと良いと考えられます。
アタッチメントが脱落している
インビザラインでは歯を動かすための補助的装置として、歯の表面にアタッチメントを付与することがあります。このアタッチメントはコンポジットレジンでできており、歯科医師が適切な時期に歯面に付与します。
矯正力がかかると脱落する可能性があり、脱落すると計画通り歯が動かないため、早めにかかりつけの歯科医院を受診しましょう。
インビザラインの治療計画に無理がある
インビザラインシステムの治療計画は、クリンチェックで作製されます。口腔内写真や患者さんの主訴、レントゲン写真、印象採得を材料にシミュレーションをかけます。
アタッチメントを付与する場所や、歯を動かす量などのシミュレーションの指示が間違っていると、無理な力がかかってしまい、計画通りいかない場合があります。
決められた装着時間を守っていない
インビザラインにおける矯正治療は可綴式(取り外し可能)のマウスピースを使用しているため、患者さん自身がしっかりと装着しなければ効果を発揮しません。そして、しっかりと装着されていたとしても、装着時間が短いと歯が予定している位置に移動することはありません。
一般的なインビザラインのマウスピース装着時間は20時間とされています。
従来のワイヤー矯正と比べての効果の実感の違い
装置の特性や色に焦点をあてると、従来のワイヤー矯正はブラケットという金属またはセラミックやプラスチックのワイヤーの留め具を歯の表面に装着させます。よってブラケットとワイヤーが障害となって歯の動きがわかりにくくなり、効果が実感しにくいです。
対して、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、マウスピースを数十個使用して少しずつ理想の歯列弓を目指します。装置自体は無色透明で、歯の表面はアタッチメントという補助装置を付与することもありますが、基本的には歯と同色で目立ちにくいです。よって歯の動きがわかりやすく、また装置だけ見ても理想の歯列に向かって新しい装置に移行するため、効果を実感しやすいです。
ただし、ワイヤー矯正の場合は装置が固定式のため、ブラケットが外れたり、ワイヤーがずれたりしない限りは通常は予定通り歯が動くのに対し、インビザラインをはじめとするマウスピースは可綴式のため、患者さん自身の意思で装置を装着してもらわないと歯が動きません。よってワイヤー矯正の方が、患者さんの装置を装着するという意志に関係なく歯を動かすことができるため、この点に焦点をあてると、ワイヤー矯正の方が効果を実感しやすいとも言えます。
【まとめ】インビザライン矯正の効果(変化)はいつから実感できる?
インビザライン矯正の効果が実感できる時期について解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 歯が動く量は1か月に最大1㎜程度であり、効果を実感するには2か月~半年くらいかかるが、感覚的かつ主観的な面から一概には言えない
- 効果が実感できない場合の対処法と考えられる原因は次の通り
・クリンチェック(専用のソフト)でシミュレーションを見せてもらう
・アタッチメントが脱落していないか確認する
・治療にかかる検査を基にしたクリンチェックへの指示が適正でない
・決められた装着時間が守られていない - 視覚的な面では、装置が障害となるワイヤー矯正より無色透明なインビザラインは効果を実感しやすいといえるが、矯正力という点では可撤式のマスピース矯正より固定式のワイヤー矯正の方が効果を実感しやすいと言える
インビザライン矯正は、装置は目立たず効果が見えやすいという視覚的なメリットも大きい治療法です。治療期間は長くなりますが、着実に進んでいることが目に見えることは強みとなって、モチベーションの維持に繋がります。
歯並びの状態によっては、治療の効果がわかりづらい時期もあるでしょう。その場合は、クリンチェックによってパソコン上でより具体的に確認することも可能です。
東京歯並び矯正歯科では、患者さんの不安に寄り添いながら治療完了を目指していますので、お気軽にご相談ください。