歯列矯正の調整は何をするの?頻度・期間・調整料についても解説

歯列矯正は基本的には長期にわたる治療となりますが、その過程で調整は不可欠と言っても過言ではありません。
調整を適切に行わないと、歯が予定の位置に動かないだけでなく、痛みや口腔機能障害を起こす可能性もあります。歯列矯正の調整はどのくらいの頻度と期間で、どのような調整を行うか解説していきます。
目次
歯列矯正の調整が必要な理由
歯列矯正の実際の治療では、機械的な装置を使用することが多いです。
機械的な装置は長期間の使用においては、たわみ、ずれ、破損、脱離等を引き起こす可能性があるため、必ず調整が必要となります。また、調整の際に追加で付加装置を付与する場合もあります。
例えば、ワイヤー矯正であれば、金属のワイヤーやブラケットというワイヤーを固定する装置を使用します。ワイヤーはブラケットに固定されていたとしても動いてずれる場合もあり、ブラケットは脱離することもあります。このような場合に調整が必要となります。ワイヤー矯正の調整過程で、ゴム製の付加装置が付与されることもあります。
歯列矯正の調整時には、しっかりと歯が予定通りに動いているか確認することも大切です。もし、予定通りに歯が動いていない場合は、治療方針を変更することもあります。
歯列矯正の調整で行うこと【ワイヤー矯正の場合】
ワイヤー矯正の場合は、まずはブラケットが正しく装着されているか、あるいはワイヤーがずれていないかを確認します。同時にワイヤーやブラケットに破損がないかも確認します。
ワイヤーがずれやすい場合は、ブラケットにサニタイという付加固定装置を付与して、ワイヤーをずれにくくする場合やワイヤーとブラケットを結紮することもあります。
ブラケットが外れやすい場合は、接着剤の種類を変更することもあります。予定通り歯が動いている場合は、ワイヤーの太さを変更することもあり、必要な場合はゴム等の付加装置を付与することもあります。
歯列矯正の調整で行うこと【インビザライン矯正の場合】
インビザライン矯正の場合は、まずはしっかりとアライナー(マウスピース)が入っているか否か確認します。
浮いている場合はアタッチメント(アライナーを固定し、歯を動かすための歯の表面に付与するプラスチック)が脱離していないか確認します。アタッチメントが脱離している場合は、アタッチメントを再度付与します。それでも適合が合わない場合は、アライナーを再作製するためにもう一度、歯型取りをします。また、予定通り歯が動いていない場合も、もう一度、歯型取りをする場合があります。さらにインビザラインでは、治療途中でアタッチメントを意図的に付与する場合があります。
インビザライン・ファースト(子供用のインビザライン)では、萌出してくる永久歯がアライナーにぶつかっていないか確認することも大切です。ぶつかっている場合は、アライナーをカットしてぶつからないようにします。
歯列矯正の調整で行うこと【床矯正の場合】
床矯正の場合は、まずはしっかりと装置が装着されているか確認します。
装置が浮いている場合は、拡大床(歯列を側方や前方に拡大する装置)であれば拡大しすぎていることが多いため、ネジを戻し適合を確認します。拡大床以外のものであれば、歯や歯肉が床の部分と当たっていないか確認し、必要であれば切削します。また、維持装置を調節することで適合を調整する場合もあります。
子供の場合は、永久歯が生えて床に当たっている場合や、乳歯が抜けたことにより適合が合わないこともあるため、調整が必要となります。特に萌出途中の永久歯が装置に当たっている場合は、正常な萌出を阻害してしまうため注意が必要です。拡大床のネジがこれ以上広がらない状態や調整しても装置の適合が合わない場合は、新しい装置を作製するために歯型取りをすることもあります。
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歯列矯正の調整の頻度と期間
歯列矯正の調整の頻度は、使用する矯正装置や治療を受ける歯科医院によって様々です。
調整の必要性の高い装置を使用する場合は、毎月の来院を要求されることもあります。調整の必要性が低い装置は、数か月に1回の来院で済む場合もあります。
調整する期間は、基本的には歯列矯正が終了するまでと考えるのが一般的です。いずれにしろ、歯列矯正治療を始める前に担当医と調整の頻度と1回の調整にかかる時間、調整期間を確認してから治療を開始することをお勧めします。
歯列矯正の調整料金について
歯列矯正にかかる調整料金も治療を受ける歯科医院によって様々です。
歯列矯正の装置代の中に調整料金が含まれている場合もあります。この場合は、すなわち何回調整に行っても追加で料金がかかりません(ただし、装置の破損や紛失等で追加料金がかかる場合もあります)。
調整料金がかかる場合、2,000円から5,000円程度が相場です。調整の頻度と期間と同じように、歯列矯正を始める前に担当医に確認することをお勧めします。
【まとめ】歯列矯正の調整は何をするの?頻度・期間・調整料についても解説
歯列矯正を行う上で、調整をしないで治療が成功することはまずありません。
ワイヤー矯正やインビザライン矯正、床矯正等、装置の違いで1回の調整にかかる時間や、調整頻度、期間は異なりますが、調整を行う意義は同じです。
そのため、矯正治療が始まったならば、必ず指定された調整日に行くようにしましょう。また、都合で調整日に行くことができない場合は、代わりの日に必ず行くようにしましょう。