インビザラインの5つのメリットと5つのデメリット
インビザライン矯正は、アライナーと呼ばれるマウスピースを順次新しいものに交換しながら、理想とする歯並びに導いていく矯正法です。
インビザライン矯正では
「誰にもバレずに歯並びを治せるからうれしい」
「ワイヤーは目立つので昼間は外していられるのがいい」
という喜びの声はもちろんですが、
「ついマウスピースを着け忘れてしまうのでなかなか進まない」
「一度マウスピースを無くしてしまって余分な費用がかかった」
などの声も聞かれます。
この記事では、インビザラインのメリットとデメリットについて解説します。
この記事を読むことで、主にワイヤー矯正と比べどのようなメリットがあるのか、またどのようなリスクやそれに伴う対応が必要になるのかについて理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解決!
- ワイヤー矯正と比較した場合のメリットは?
- 他のマウスピース矯正と比較した場合のメリットは?
- インビザライン独自のメリットは?
目次
インビザラインのメリット
インビザライン最大のメリットが、透明な矯正装置で目立ちづらく、自分で着脱できるといった、矯正期間中の審美性と清掃性の高さにあります。
①装置が透明で目立ちにくい
インビザラインに使用するマウスピースは、透明で目立ちにくいのが特徴です。
またマウスピースを維持するため、特定の歯にしっかりと矯正力をかけるためにアタッチメントというプラスチックの出っ張りを歯面上に付与しますが、これも歯の色に近似しています。
よって矯正治療中に審美的な障害を感じることは少ないです。
②可綴式(取り外し可能)なので清掃しやすい
インビザラインでは着け外し可能なマウスピースを使用するため、口腔内を清掃しやすいのが特徴です。
従来のワイヤー矯正では固定式の矯正装置のため、ワイヤーと歯面との間にプラークが付着しやすく、清掃もワイヤーが邪魔になり困難でした。
マウスピース自体は使用していると劣化および着色をしていきますが、インビザラインで使用するマウスピースは使用開始して2週間前後で新しいマウスピースに移行するため、そこまで気にする必要はありません。
③子供や抜歯症例にも適応できる
従来のマウスピース矯正は便宜抜歯を行い、それによってできたスペースに歯を並べることが難しかったです。しかし、インビザラインではこのような抜歯症例にも対応することができます。
また、インビザラインは混合歯列期の小児にも対応可能です。小児のインビザラインの場合、大人よりも歯が動くスピードが早いことが多いです。
④矯正後のシミュレーションを視覚化できる
インビザラインで使用するマウスピースの型取りは、従来の粘土のような材料を使用した型取りだけでなく、光学印象というデジタルカメラでの型取りが可能です。
型取りした歯列はクリンチェックというシミュレーションソフトにかけられ、歯科医師がオーダーした指示を反映させ、歯の動きをシミュレーションしていきます。これによって矯正後の歯列を可視化することができるため、歯科医師側、患者側双方にイメージしやすいことが特徴です。
クリンチェックとは?インビザライン矯正前と最中におけるシミュレーションの役割
⑤金属アレルギーの患者さんにも使用できる
インビザラインでの矯正は装置に金属を全く使用しません。よって金属アレルギーの患者さんにも適応できます。ただし、インビザラインとワイヤー矯正を併用しなければいけないケースもあるので注意が必要です。
インビザラインのデメリット
インビザラインでは、自分で着脱できるメリットがありますが、逆にそれがデメリットになり、装着時間が十分でないと思うように歯列移動が得られない可能性が出てきます。
①患者さんの治療への協力が必要不可欠
インビザラインは着け外し可能な矯正装置であるマウスピースを使用するため、患者さんの矯正治療に対する協力が必要不可欠です。
仮に装着時間が短かく、しっかりとマウスピースが装着できていない時間が増えてしまうと、歯が計画通りに動きません。
②装置が壊れやすく紛失しやすい
インビザラインで使用するマウスピースは特殊なプラスチックでできているため、破損しやすく、紛失しやすいです。
仮に破損または紛失した場合は、使用中のマウスピースを再作製しなければならず、矯正期間が予定よりも長くなる可能性があります。
③全ての不正咬合に適応ではない
全ての不正咬合がインビザラインで治療可能なわけではありません。
骨格性の不正咬合や、重度の叢生、治療に対して患者の協力が得られにくい場合は、他の矯正方法を選択した方が無難です。
④歯を削ることや抜くことがある
インビザラインでは歯を並べるスペースを作るために、従来の矯正治療に見られるような便宜抜歯や、健全な歯の両端を少し削るディスキング(IPRとも言う)を行うことがあります。
もちろん患者さんの意向や歯科医師側の指示で便宜抜歯やディスキングを回避することは可能ですが、その場合インビザラインでの矯正ができなくなる可能性があります。
インビザラインで抜歯は必要?適応症例とタイミングについても解説
⑤全ての歯科医院で対応することが難しい
インビザラインでの矯正治療は、全ての歯科医院で受けることができるものではありません。専門的な矯正知識と技術が必要であるため、一部の歯科医院でしか治療を受けることができません。
よって、インビザライン治療を検討している場合はホームページ等で確認が必要になってきます。インビザラインの症例をたくさん持っている歯科医院や、歯科医師が在籍しているところがおすすめです。
また、インビザラインでの矯正治療は他院に引き継ぐことが難しいです。よって治療中に転勤等により転居する可能性がある場合は、転居先で治療を開始することをお勧めします。
【まとめ】インビザラインの5つのメリットと5つのデメリット
インビザラインのメリットとデメリットについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
インビザラインのメリットには次の5つがある
- 「アタッチメントも含め装置が透明で目立ちにくい」
- 「取り外し可能なので清掃しやすく、マウスピースの劣化や着色も少ない」
- 「混合期の子供や抜歯症例にも適応できる」
- 「コンピュータシミュレーションにより、矯正後の歯列をイメージしやすい」
- 「金属アレルギーの人も適応できる」
インビザラインのデメリットには次の5つがある
- 「計画通りの治療には患者さん自身の協力が不可欠」
- 「マウスピースの破損や紛失のリスクがある」
- 「不正咬合の状態や個別の理由で適応とならないことがある」
- 「抜歯やディスキング(隙間を少し削る方法)が必要なことがある」
- 「すべての歯科医院で受けられるわけではない」
透明なマウスピースが主役のインビザライン矯正では、目立たないことが最大のポイントです。他人に気付かれずに治療を受けられるという特徴は、これまで歯並びの悪さを諦めていた大人でも矯正治療を受けやすく、ハードルをかなり下げてくれたといえるでしょう。
ただ、どのような治療であっても、メリットばかりではなくデメリットも存在します。
そこで、インビザラインを検討している人や現在治療を行っている人は、メリットとデメリットをきちんと理解して治療に臨むことが大切です。
東京歯並び矯正歯科では、患者様の状態から予測されるメリットだけでなく、デメリットを隠さずしっかりとご説明しています。
理想の歯並びになるための治療をスムーズに行えるよう、そして十分納得して治療に臨めるよう、疑問があればお気軽にご相談ください。