ブライダル矯正とは?結婚式に間に合わせるための最適な歯科矯正の選び方
歯列矯正は、歯を少しずつ移動させて歯列不正の改善を図るため、治療期間が2〜3年ほどの長期にわたることが多いです。
歯列不正の自覚はあるが矯正治療に踏み切れなかった方が、結婚をきっかけに歯列矯正を決断なさることがあります。ところが、結婚式の期日によっては2〜3年も待てないという方もいらっしゃいます。
そのような方におすすめなのがブライダル矯正です。
この記事では、結婚式を目的としたブライダル矯正について解説します。
この記事を読むことで、ブライダル矯正という歯列矯正が理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。
こんな疑問を解決!
- ブライダル矯正は通常の歯列矯正と何が違うの?
- 通常の歯列矯正だと結婚式までに終わらない?
- ブライダル矯正なら結婚式に間に合うの?
- 矯正装置をつけたまま結婚式を挙げないといけないの?
- ブライダル矯正の治療法は?
目次
ブライダル矯正とは
ブライダル矯正は、結婚式に向けて歯列不正の改善を目指す歯列矯正です。
ブライダル矯正という名称がついていますが、結婚式に向けた特別な歯列矯正ではありません。あくまでも通常の歯列矯正と同じ方法で、歯列不正の改善を目指します。
ブライダル矯正の特徴
ブライダル矯正の特徴を解説します。
期日を定めた治療計画
一般的な歯列矯正では、理想的な歯列を目指し治療計画を策定します。治療計画に基づいて治療期間が決定されるため、結婚式までに終わらないという事態も想定されます。
一方、ブライダル矯正では、結婚式という期日を目標にし、治療計画を策定します。このように、ブライダル矯正は治療の期日を目標に治療を進めていくという点に特徴があります。
前歯部の審美性を優先
ブライダル矯正も一般的な歯列矯正と同様に、理想的な歯列を目指します。ところが、歯の移動の困難な臼歯部の咬合関係まで理想的な状態に整えようとすると、治療期間が長くならざるを得ません。
結婚式という期日に間に合わないと予想される場合は、ブライダル矯正では審美性を優先し、前歯部の歯列矯正を重点的に行います。
ブライダル矯正の方法
ブライダル矯正の歯列矯正では、次のような方法から治療法が選択されます。
部分矯正
部分矯正は、前歯部の歯列不正の改善だけを目的とした歯列矯正です。
歯列矯正では、臼歯部の歯の移動が困難で時間がかかります。しかし、前歯部だけの部分矯正なら、歯列全体の改善を目的とした全体矯正と比べて治療期間の短縮が可能です。
部分矯正の方法としては、後述する舌側矯正やマウスピース矯正などが挙げられます。
マルチブラケット矯正
マルチブラケット矯正は、歯の唇側面や頬側面にブラケットという金具を装着し、ブラケットの溝に通す形でワイヤーを装着し、ワイヤーの弾力性を利用して歯を移動させる歯列矯正です。
矯正装置が目立つのが難点ですが、ほぼ全ての歯列不正に対応できる適応症の広さや、歴史も長く問題点もほぼ解消されているという点が利点です。
ブライダル矯正でマルチブラケット法を採用した場合、結婚式など大切な日に矯正装置を外してもらう必要があります。
舌側矯正
舌側矯正もマルチブラケット矯正のひとつですが、通常のマルチブラケット矯正と異なり、歯の舌側面・口蓋側面にブラケットとワイヤーを装着します。
インコグニートという舌側矯正では、歯の形や大きさに適合したブラケットをオーダーメイドで作るため、矯正力が歯に理想的に加わり、矯正治療の効率が高くなっています。
歯の唇側面や頬側面に矯正装置が装着されないので目立ちにくく、つけたままでも審美性を保ちながら歯列矯正が受けられます。したがって、結婚式の前にブライダル写真を撮影するときにも、写真に写りにくいです。
また、舌側矯正なら歯列矯正を続けながら、同時にオフィスホワイトニングを受けられるという利点もあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピース(アライナー)を矯正装置とした新しい歯列矯正です。
マウスピース矯正で用いられるマウスピース(アライナー)は、薄く透明度が高い上、歯にタイトにフィットしているため、装着していても気づかれることはほとんどありません。舌感も違和感なく、発音にも影響しません。
マウスピース(アライナー)なので、親族同士の食事会や結婚式場の試食会など食事会のときにも外していただけます。もちろん、ブライダル写真に写ってしまうこともありません。
矯正治療期間の短縮を図る方法
歯列矯正では、歯の移動速度を上げようと矯正力を高めると歯根吸収などを起こすため、矯正力だけで歯の移動速度を高めることはできません。 そこで、他の処置を併用することで歯列矯正の効率化を図るようにしています。
コルチコトミー
コルチコトミーは、皮質骨切除術とも呼ばれる外科処置の一種です。
歯周組織のひとつである歯槽骨(歯槽突起、歯槽部)は、表層が皮質骨、内部が海綿骨でできています。皮質骨は密度が高いため、海綿骨と比べて硬いという性質があります。
コルチコトミーでは、この皮質骨の一部を切除する手術です。硬い皮質骨を部分的に切除することで、歯の移動効率を高め、治療期間の短縮を図ります。
歯科矯正用アンカースクリュー
歯科矯正用アンカースクリューは、チタン合金や純チタンなどで作られたスクリューで、顎骨に単体で植立されます。直径約1.0㎜、全長6〜10㎜と非常にコンパクトなので、植立時の侵襲も低く抑えられます。
歯科矯正用アンカースクリューを使えば骨が固定源となり、歯を移動するときに生じる必要ない反作用を全て受け止めてもらえます。このため、歯科矯正用アンカースクリューを使った歯列矯正では、歯の移動が効率的になり、精度を高めつつ、治療期間の短縮も図れます。
ブライダル矯正の流れ
一般的なブライダル矯正の治療の流れを解説します。- ❶診察・相談
診察・相談では、主訴や既往歴など一般的な問診に加え、結婚式の期日や結婚式前のイベントスケジュールも確認します。 - ❷検査
診断用模型の製作、口腔内写真やレントゲン写真の撮影など歯列矯正に必要な検査を行います。 - ❸治療計画の策定
歯列矯正の方法を提示し、結婚式に間に合う治療計画を策定します。
治療計画の同意を受ければ、ブライダル矯正が開始となります。 - ❹矯正治療の開始
治療計画に沿って、歯列矯正を開始します。 - ❺挙式直前の矯正装置除去
マルチブラケット矯正を選択した場合は、結婚式直前に矯正装置を除去します。
希望に応じてホワイトニングも行います。 - ❻暫間被覆冠の装着
便宜抜歯をした場合など、歯列上に空隙がある場合、空隙部分に暫間被覆冠などを装着します。 - ❼挙式後の歯列矯正再開
結婚式が終わったのち、臼歯部の咬合関係の改善を目的に歯列矯正を再開します。
ブライダル矯正のメリット
ブライダル矯正のメリットについて解説します。
結婚式に間に合う歯列矯正
ブライダル矯正では、結婚式というゴールを設定し、それに間に合うよう余裕を持った歯列矯正の治療計画を策定します。
一般的な矯正治療では、期日を決めた治療計画は策定しないので、結婚式に間に合うかどうかは二の次です。
結婚式に間に合うよう治療を進める点が、ブライダル矯正の最大のメリットです。
ホワイトニングも併用できる
ブライダル矯正では、マルチブラケット矯正で対応した場合でも、結婚式の直前に矯正装置を除去します。矯正装置がついたままではホワイトニングは困難ですが、矯正装置を一時的にでも除去できればそうではありません。
ブライダル矯正は、矯正装置を除去するため、結婚式の直前にホワイトニングを受けることも可能です。
ブライダル矯正のデメリット
ブライダル矯正にはデメリットもあります。
全体矯正は間に合わない可能性がある
臼歯部を含め歯列全体の歯列不正の改善を希望する場合、治療期間が長くなり結婚式の期日に間に合わない可能性が考えられます。
このような場合は、結婚式までの期間に前歯部の歯列不正の改善を図り、臼歯部は結婚式が終わった後の治療となります。
保険診療の適応外
ブライダル矯正も通常の歯列矯正と同じく、保険診療の給付の対象には含まれません。自費診療となり、治療費はそれぞれの歯科医院で異なります。
詳しい治療費は主治医の歯科医師とご相談ください。
【まとめ】ブライダル矯正とは?結婚式に間に合わせるための最適な歯科矯正の選び方
ブライダル矯正では、治療期日のゴールを定め、期日に間に合うよう治療プランをたてて歯列矯正を行います。
臼歯部の歯列矯正が日程的に難しいなど、ブライダル矯正にデメリットがないわけではありませんが、ブライダル矯正なら結婚式に間に合う歯列矯正が可能です。
この記事では、下記のようなことをご理解いただけたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- ブライダル矯正は前歯部の審美性を優先した矯正治療
- 結婚式に間に合うよう治療計画を策定
- ブライダル矯正では舌側矯正、マウスピース矯正などで歯列矯正を行う
- コルチコトミーや歯科矯正用アンカースクリューを併用すると歯列矯正の効率が高まる
ブライダル矯正を成功させるためには、治療計画の策定や治療計画に従った治療の進行が不可欠です。
ブライダル矯正には、より豊富な専門的な知識と経験が必要です。また当院では歯列矯正だけでなく、審美歯科治療も提供しております。結婚を控えた方で、歯並びだけでなく、審美性を重要視される方は、ぜひ当院の女性歯科医師にご相談ください。