インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータとは?10代のマウスピース矯正におけるアライナー装着の管理法
インビザラインは、マウスピースを装着するだけで歯が動く画期的な矯正システムで、現在では小児の混合歯列期から適応可能です。
小児期のインビザライン矯正は、インビザライン・ファーストと呼ばれます。
従来のワイヤー矯正と比べて、透明なマウスピースを使用するため、治療中の審美的な問題が解消されます。ただし、治療に使用するマウスピースは可綴式(ご自身で取り外し可能)であるため、しっかりと自分の意思で装着しなければ成功につながりません。
この記事では、インビザライン・ファーストにおけるアライナー装着の管理法などを解説します。
この記事を読むことで、インビザライン・ファーストの注意点や成功率を上げる方法などを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解決!
- そもそも「インビザライン・ファースト」とは
- インビザライン・ファーストで注意すること
- インビザライン・ファーストにおける保護者の役割
- コンプライアンス・インジケーターについて
- マウスピース装着が十分にできない場合の対処法
目次
インビザライン・ファーストとは?
インビザライン・ファーストは、一言で言えば子供用のマウスピース矯正システムです。
従来のマウスピース矯正は、乳歯が残存している歯列には適用する事ができませんでした。乳歯が残存している歯列には他の矯正装置を使用することしかできなかったのです。
しかし、インビザライン・ファーストの登場で、永久歯と乳歯が混在している混合歯列期からマウスピース矯正が適用になりました。混合歯列期からマウスピース矯正が適用になることで、歯牙の移動や傾斜だけでなく、歯列弓の拡大や顎間ゴムの併用も可能となります。
インビザライン・ファーストの登場で、小児矯正も新たなステージに入ったと言っても過言ではないでしょう。
インビザライン・ファースト治療中の注意事項
インビザライン・ファーストを適用する際の注意点としては、使用するマウスピースが取り外し可能な点にあります。
取り外しが可能のため、破損や紛失をしやすく、日常的な装置の管理が必要になります。
また、マウスピースを装着する時間が大切で、1日20時間以上は必要です。20時間以下であると、計画通りに歯が動かない可能性があります。
アタッチメント(歯の表面に付与されるマウスピースを維持するためのプラスチックの突起)がしっかりと付いていて、取れていないか確認することも大切です。アタッチメントが脱離している際は、マウスピースがしっかりと装着されていたとしても歯が動かない可能性があるため、すぐにかかりつけの歯科医院で診てもらうことが必要です。
10代でインビザライン矯正はしっかり装着できる?
管理が必要なインビザライン・ファーストにおいて、10代あるいは10歳に満たないお子さんが、1人で管理できる可能性は極めて低いと考えます。必ず親御さんの管理が必要になるでしょう。
マウスピースを口の中に装着する装着方法や外す時の方法も決まっており、その通りに行わないとマウスピースの破損やアタッチメンントの脱離につながります。食事の際はマウスピースを外し、無くさないように管理することも必要です。
特にマウスピースの装着時間を守ることが、インビザライン・ファーストでの矯正治療を成功させる大きな要素です。そんな時に役に立つのがコンプライアンス・インジケータです。
コンプライアンス・インジケータとは?
コンプライアンス・インジケータは、インビザラインに使用するマウスピースの臼歯部分に付与されている青色の出っ張りです。
この出っ張り自体に、歯並びを整える機能はありません。青色の部分は食用の色素でできており、口腔内の唾液と反応してだんだんと薄くなってきます。しっかり装着できているか否かは、このコンプライアンス・インジケータの色の薄くなり具合でわかります。薄くなり具合を記録するよう指示する歯科医院もあります。
コンプライアンス・インジケータを付与するか否かは、インビザラインの治療計画を立案する際に決定することができるため、希望する場合や希望しない場合は、事前に担当医に伝えることをお勧めします。
たとえ付与されたとしても、ほとんど異物感を感じるものではないので、若年者を対象としたインビザライン・ファーストでは、付与することが望ましいです。通常であれば、付与することによる追加の料金もかかりません。
それでもマウスピースをしっかり装着できない場合は?
コンプライアンス・インジケータをマウスピースに付与して管理したとしても、患者さんによってはしっかりと装着することができず、歯が予定通りに動かない事態になることがあります。
そうした場合は、インビザライン・ファーストを始めとする取り外し可能なマウスピース矯正は諦め、固定式の矯正装置であるワイヤー矯正への変更をお勧めします。
いずれにしろ、インビザライン矯正を始める前に治療を始める本人と親御さんとで、協力を入念に確認する必要があるでしょう。
【まとめ】インビザライン・ファーストのコンプライアンス・インジケータとは?10代のマウスピース矯正におけるアライナー装着の管理法
インビザライン・ファーストにおける保護者の方の役割や、コンプライアンス・インジケーターによるアライナーの装着管理方法などを解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
ここがポイント!
- インビザライン・ファーストは、混合歯列期から適用可能なマウスピース矯正システム
- インビザライン・ファースト治療中は、マウスピースの破損・紛失に注意
- アライナーは毎日20時間以上装着し、アタッチメントの脱離がある場合はすぐに歯科医院を受診しなければならない
- インビザライン・ファーストでは、保護者がマウスピースの破損・紛失およびアタッチメントの脱離に注意し、装着時間も管理する必要がある
- コンプライアンス・インジケーターは、マウスピースの装着を管理するためのツールで、インビザライン・ファーストでは付与が望ましい
- マウスピース装着が十分にできない場合は、ワイヤー矯正への変更が推奨される
インビザライン矯正では、マウスピースの装着が毎日20時間以上必要です。
そのためインビザライン・ファーストでは、お子さん自身の矯正治療に対する理解が大切になってきます。
治療を成功させるためにも、コンプライアンス・インジケーターを使用してアライナー装着を管理していくことをおすすめします。
南青山矯正歯科クリニックでは、混合歯列期における歯列矯正にも対応しております。インビザライン・ファーストにご興味がありましたら、まずは女性歯科医師による診察・相談にお越しください。丁寧に対応させていただきます。