インビザライン矯正で滑舌が悪くなる原因と対処法
インビザライン矯正は、マウスピース矯正のパイオニアとして、世界トップクラスのシェアを誇っています。
そのインビザライン矯正では、歯にフィットする薄く滑らかなマウスピース(アライナー)を使うので、滑舌に影響が出る割合はごくわずかとされています。しかし、利用者が増えるとともに滑舌への影響を訴える方も散見されるようになりました。
職業によっては、滑舌に影響することを不安視される方もいらっしゃいます。
この記事では、インビザライン矯正中に起きる可能性のある滑舌への影響について解説します。
この記事を読むことで、インビザライン矯正中と滑舌との関係性が理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。
こんな疑問を解決!
- インビザライン矯正で滑舌が悪くなる原因
- インビザライン矯正で滑舌の症状が出やすい音
- インビザライン矯正で滑舌が悪くなったときの対処法
目次
インビザライン矯正で滑舌が悪くなる原因
インビザライン矯正で滑舌が悪くなる原因としては、次のようなものが考えられます。
思い込み
インビザライン矯正で、滑舌が悪くなったと感じたときに比較的多いのが思い込みです。
すなわち、滑舌は悪くなっていないのに、悪くなったのではないかと、ご自身で疑ってしまうという状態です。
マウスピースと舌の接触
インビザライン矯正のマウスピースは、とても薄く歯にしっかりとフィットしていますし、表面はたいへん滑らかです。
しかし、マウスピースをつけていないときと比較すると、口腔内の容積は狭小化します。舌の体積は変わりませんから、マウスピースに舌が接触しやすくなります。この結果、発声するたびに舌がマウスピースに接触するようになり、滑舌に影響が出ます。
マウスピース装着時の開口
インビザライン矯正を始めた当初に多いのですが、マウスピースに慣れるまで、無意識に口が軽く開いてしまっていることがあります。
開口した状態が継続すると、唾液の蒸発が促進され、口腔内が乾燥化します。
唾液には、潤滑作用による発音を助ける役割があります。開口が続くことによる唾液の減少は、滑舌に少なからず影響を与えます。
マウスピースの変形
インビザライン矯正のマウスピースは、工場のラインで自動的に製作されるため、たいへん高い精度を保っています。
しかし、マウスピースは、1日のうちに何度も脱着を繰り返します。この脱着を繰り返す間に不適切な取り扱いをすると、マウスピースが変形する可能性が生じます。マウスピースが変形すると、歯にしっかりと装着できなくなるため、舌感が悪くなり、滑舌に影響が出ることがあります。
マウスピースの装着不良
インビザライン矯正のマウスピースは、歯にかなり緊密に装着されます。
マウスピースを適切に装着できていなければ、歯から浮き上がりが生じるため、口腔内で舌が接触しやすくなり、滑舌に影響がでます。
マウスピースの不適切な装着方法
インビザライン矯正では、マウスピースを装着するときに、チューイーを使用するよう指導されます。
チューイーを使用せず、マウスピースを装着しようとすると、装着不良の原因となり、滑舌に影響を与えます。
滑舌に影響が出やすい音
インビザライン矯正で滑舌が悪くなった場合、影響を受けやすい音は以下の通りです。
いずれの発音も影響が出る原因は、舌尖とマウスピースの接触です。
サ行
サ行は、舌尖を上顎前歯部の歯肉縁口蓋側に接触させて発生する音で、破擦音と呼ばれます。
タ行・ナ行・ラ行
タ行・ナ行・ラ行は破裂音です。
サ行と違い、上顎に舌を強く当てて音を作り出します。
滑舌が悪くなったときの対処法
滑舌が悪くなったと感じたときの対処法を解説します。
発音の確認
滑舌が悪くなったとの思い込みが多いので、まず本当に滑舌が悪くなったのかの確認が必要です。
マウスピースを装着した状態の発音と外した状態の発音を、「ご家族の方など身近な方に聞いてもらう」「スマホなどに録音してご自身で聞いてみる」などして比較します。
慣れるまで待つ
インビザライン矯正を始めてからしばらくの間は、違和感を感じるのが一般的です。
多くの方は1〜2週でマウスピースに慣れます。慣れるに従って、滑舌の悪さを感じなくなるケースが大半です。
インビザライン矯正を始めてからあまり時間が経っていない方は、慣れるまでしばらく経過観察するといいでしょう。
口を閉じる
マウスピース装着時に開口している方は、口を閉じるようにしましょう。
無意識に開口している方は、ご家族の方など身近な方に開口状態を指摘してもらうようにすることをおすすめします。
チューイーを使う
指先で圧接しただけでは、マウスピースを適切に装着できていない可能性があります。
インビザライン矯正を受けるとシリコン製のチューイーが手渡されます。このチューイーを噛むようにして、マウスピースを装着するようにしてください。
マウスピースの確認
マウスピースが変形しているかどうかは、専門家でなければ判断がたいへん難しいです。
チューイーを使用して適切に装着しても、装着感に違和感が残る場合は、主治医の歯科医師にマウスピースの状態を確認してもらうようにしましょう。
舌のトレーニング
滑舌を良くするための舌のトレーニングとしては、早口言葉や母音のトレーニングなどがあります。
早口言葉では、「東京特許許可局許可局長」「青巻き紙・赤巻き紙・黄巻き紙」「隣の客はよく柿食う客だ」など、なんでもいいので思いついた早口言葉を繰り返して練習してみてください。
母音がはっきり作り出せないと、言葉が不明瞭になりがちです。
そこで、「あいいうええお」と発音時の口の形を意識しながら声に出すトレーニングもおすすめです。
【まとめ】インビザライン矯正で滑舌が悪くなる原因と対処法
インビザライン矯正で使うマウスピースは、とても薄く滑らかなので、滑舌に影響する可能性は稀です。しかし、滑舌に影響が全くないわけではありません。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- インビザライン矯正では、滑舌が悪くなったとの思い込み例も多い
- インビザライン矯正の滑舌へ影響は、慣れるまでのごくわずかな期間がほとんど
- インビザライン矯正で滑舌への影響の原因は、マウスピースによる舌感の変化
- インビザライン矯正に慣れても滑舌が悪いままなら、マウスピースの装着状態や変形が疑われる
インビザライン矯正で滑舌に影響が出た場合は、マウスピースの状態などを歯科医師に確認してもらう必要があります。滑舌の状況やマウスピースの状態を確認するには、より豊富な専門的知識と経験が必要です。
東京歯並び矯正歯科では、インビザライン矯正期間中に何かしらのトラブルが起きた場合のために電話だけでなく、歯科医師が対応するメール相談も受け付けております。治療期間中に何かご不安なことがありましたら、遠慮なくご連絡ください。丁寧に対応させていただきます。