悪い噛み合わせや歯並びは頭痛の原因?その関係性と治療法を解説
慢性的な頭痛や肩こりといった身体の不調でお悩みの方は、意外と多いのではないでしょうか?
集中力や注意力が低下し、日常生活にも支障をきたすので、原因を特定して改善したい症状ですよね。
頭痛や肩こりの原因は様々ですが、後頭部からこめかみにかけての頭痛や、吐き気などの不調は、顎関節症が原因の可能性もあります。
不調の原因が顎関節症なのか、その場合の改善方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、顎関節症で起きる頭痛の原因と改善方法について解説します。
この記事を読むことで、顎関節症の症状や起きてしまう原因などを詳しく理解でき、下記のような悩みや疑問を解決します。
こんな疑問を解決!
- 歯並びが悪いと顎関節症になるの?
- 顎関節症によって起きる身体の不調はどんな症状があるの?
- 顎関節症になる原因は?
- 顎関節症の改善法は?
目次
歯並びと頭痛の関係とは?
歯並びが悪く、機能的に上下の歯が咬み合わない状態を不正咬合と言います。
不正咬合は、審美性(見た目)の問題だけでなく、咀嚼力を左右均等に配分できないことや、荷物を持ち上げる際などの噛みしめにより、片側の歯や顎関節に過重負担がかかってしまいます。
その結果、“顎関節症”を発症するリスクが高くなると言えるでしょう。
顎関節の構造
顎関節とは、頭蓋骨の一部である側頭骨(両耳の上のあたり)と、下顎骨の両側にある下顎頭の間に、関節円盤と呼ばれるクッションを介した関節のことです。蝶番運動と呼ばれる動きで、お口の開閉に関与します。
顎関節症の症状
お口の開閉に関連する顎関節に炎症が起こった状態が“顎関節症”です。
顎関節症には、下記のような症状が当てはまります。
- 口の開閉時に音がする
- 口が開閉しにくい
- 口の開閉時に耳の手前に痛みがある
- 咬み合わせると違和感がある
- 首、顔、頭の筋肉がだるい
- 首、顔、頭に痛みがある
これらの症状は、一時的な場合もありますし、慢性化することもあります。ひどい片頭痛の原因は、実は顎関節症であったというケースも存在します。 症状のいずれかに当てはまる場合には、一度、歯科医師に相談することをおすすめします。
顎関節症を引き起こす原因
食事や会話の際には、顎関節は誰にとっても重要な役割を果たす器官です。では、顎関節症になる人と、ならない人がいるのはなぜでしょうか?
顎関節症になりやすい方は、以下のような特徴があります。
- 食事の際に片方だけで咬む癖
- う蝕(齲蝕)や歯周病で歯を喪失し、咬合が左右でアンバランス
- 頬杖、うつぶせ寝、横向きでの就寝などの生活習慣
- 弦楽器の演奏(バイオリンを片顎で抑えるなど)
- 歯列不正による咬合不全
いずれも、左右非対称な力の負荷により、顎関節症が引き起こされる要因になる動作です。
原因除去につながる歯列矯正治療
顎関節症による頭痛や肩こりを解消するためには、まずは先にご説明した習癖の除去が必要です。
咬合のアンバランスを引き起こす、歯列不正には、歯列矯正治療が有効です。歯列矯正治療により、機能的に改善した咬み合わせを獲得することができます。
歯列不正がある場合には、咀嚼や物を持ち上げる時の噛みしめなどの動作時に、一部の歯に負荷がかかり歯肉の炎症や、歯の摩耗、咬耗が起こっています。加えて、顎関節には、左右で不均一な力の分配が起こります。そのため、歯列不正を矯正治療で改善することは、顎関節に係る力を左右対称に負担することにつながり、片側の筋肉への過剰な負担を予防することができるようになるのです。
咀嚼筋への負担が及ぼす頭痛の発症
お口を開閉する筋肉の内、以下の4つを咀嚼筋と呼びます。
- 咬筋
- 内側翼突筋
- 外側翼突筋
- 側頭筋
顎関節が原因で頭痛を引き起こしている場合、これらの筋肉が過緊張状態になることが原因となります。
例えば、上下の歯を噛みしめた際に、頭の横(耳の上のあたり)や、耳の真下と顎の後縁が交わるあたりに力こぶはないでしょうか?
この部分を、ご自分の指で押すと強い痛みがある場合、咀嚼筋の過緊張が疑われます。筋肉が過緊張を起こすことで、周囲の血管や神経が圧迫されてしまい、頭痛につながるリスクがあるのです。
顎関節症由来の頭痛を改善する方法
根本的な原因の除去として有効なのは、歯列不正を改善することが挙げられます。
その他に、簡単なセルフケアとして以下のマッサージや体操も効果的です。
開口トレーニング
- ❶お口を開けられる最大限の大きさまで開けて、10秒間キープ
- ❷顎をゆっくり閉じて10秒間静止
この内容を毎日、3セットを目安に休憩時間や、就寝前などリラックスした状態で継続します。
咀嚼筋マッサージをする
ご自身でぐっと咬みこんだ際に、耳や顎の周囲にポコッと力こぶを感じたら、痛気持ちいいくらいの強さで指の腹を添えてマッサージを行う。入浴時が効果的です。
噛みしめをやめる
人は安静空隙と言って上下の歯と歯の間に2~3㎜ほどの間が空いていることが理想的です。上下の歯と歯は接触していないことが理想的なのです。
お仕事や勉強に熱中すると噛みしめる行為につながります。噛みしめる習慣がある方は、ご自身で1時間のうちに1回は、噛みしめが起こっていないか、気を付ける習慣があるとよいでしょう。
【まとめ】悪い噛み合わせや歯並びは頭痛の原因?その関係性と治療法を解説
顎関節症について症状や改善方法について紹介しました。
この記事では、下記のようなことがわかったのではないでしょうか?
ここがポイント!
- 不正咬合は顎関節症を発症するリスクが高くなる
- 咬合や癖などによる左右非対称な力の負荷は、顎関節症が引き起こされる要因になる
- 咬合のアンバランスを引き起こす歯列不正には歯列矯正治療が有効
- 顎関節症由来の頭痛は、咀嚼筋の過緊張が原因で頭痛が起きる
- 顎関節症が原因の頭痛の場合、簡単な咀嚼筋のマッサージや体操も効果的
- 噛みしめる習慣は、片側の歯や顎関節に過重な負担が掛かり顎関節症のリスクが高くなる
頭痛や肩こり、吐き気などの不調は、咀嚼筋のマッサージや口腔体操が効果的です。しかし、根本的な改善には歯列不正を治すことが、一番の改善方法といえるでしょう。
歯列矯正治療でバランスの取れた機能的な咬合に整えることで、顎関節症の予防や頭痛、肩こりなど、身体の不調の原因除去につながります。
これらの不調でお悩みの方は、顎関節症が原因の可能性がありますので、一度、歯科医院で咬み合わせについて、相談するとよいでしょう。
東京歯並び矯正歯科では、歯列矯正の専門的な知識を持つ歯科医師が、歯列不正のお悩みはもちろん、健康面に関わる咬み合わせの改善までトータルにサポートいたします。歯以外にも、顎関節症が原因の不調はお気軽に当院へご相談下さい。