セラミック歯の寿命と長持ちさせる4つのポイント
セラミックは高品質な歯科材料であり、天然の歯と遜色のない色や透明感を再現できます。現在は保険が適応されず自費診療となるため高額ではあるものの、審美性の高さを求めてセラミック歯を選択する人も少なくありません。
「被せてあることが他人にわからないようにしたい」「費用はかかっても見た目がきれいな歯を入れたい」と考えている人は、セラミック歯を選択することも検討するといいでしょう。
ただ、セラミック歯もあくまで人工物であるため、長くいい状態を維持するためには適切なメンテナンスを行い、過剰な負荷がかかる癖などにも注意が必要です。
この記事では、セラミック歯の特徴や種類、装着後の注意点について解説します。
この記事を読むことで、セラミック歯の種類や寿命、長持ちさせるためのポイントを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問を解決!
- そもそもセラミックの歯とは?
- セラミックの歯にはどんな種類かあるの?
- セラミックの寿命はどれくらい?
- セラミックの歯を長持ちさせるポイント
目次
セラミックの歯とは?
セラミックはある程度の強度と透明感があり、色調も歯にかなり近似した材料です。素人の目には、一見すると歯と見間違えることもあります。
以前のセラミックは脆弱で、綺麗だけどすぐ割れるというのが常識でしたが、最新のセラミックは強度のあるものもあります。
しかし、残念ながらセラミックでの治療を日本の健康保険制度で受けることはできませんが、お金をかけてでも治療を受ける価値は十分にあります。
セラミックの歯の種類
セラミック歯の材質には、さまざまな種類のものがあります。
メタルボンド
一昔前のセラミックと言えば、ほとんどがメタルボンドでした。
セラミックの脆弱性を裏側に金属で裏打ちすることで補ったものです。金属によって透明感は少し無くなりますが、それでも歯科材料の中ではかなり綺麗なものとなります。
メタルボンドに使用される金属には、白金加金や金合金が使用されます。メタルボンドはクラウン(被せ物や差し歯)のみに使用されます。
ジルコニア
ジルコニアはジルコニウムという金属の酸化物で、白い金属とも言われるセラミックです。セラミックの中ではかなり強度があり、メタルを使用しなかったとしても大きな補綴物を作製することができます。
少し前のジルコニアは透明感がなく、色調に少し難がありましたが、最新のジルコニアは特殊加工により、透明感があるものが多くあります。
ジルコニアは被せ物や詰め物にも使用されます。最近では、インプラントの土台としても使用されることがあります。
ガラス系セラミック
いわゆる歯科でいう純粋なセラミックです。透明感が非常にありますが、脆弱なのが難点です。
被せ物にも詰め物にも使用されますが、何らかの加工が加えられないとすぐに破損してしまう可能性があります。
ハイブリッドセラミック
セラミックとプラスチックが混合された材質です。純粋なガラス系のセラミックよりは強度はありますが、プラスチックが含まれているため、色調が他のセラミックよりは劣ります。
最大の特徴はプラスチックが入っているため、安価で製作が可能なことです。
セラミックの寿命
セラミックの寿命は個人差が大きく、一概に何年と述べることは難しいです。一般的な補綴物(被せ物や詰め物)の寿命は7〜8年と言われていますが、それ以上使用できることも多々あります。
材料的な劣化や偶発的な力による破損は仕方がないとしても、セラミックで詰めた所や被せた所は、毎日のセルフケアや歯科医院でのメンテナンスをすることによって、寿命を延ばすことが可能です。
セラミックの歯を長持ちさせるポイント
セラミック歯の寿命は、材料の選択、習癖のコントロール、日々のケアが重要となります。
セラミックの材料の選択の問題
セラミックの中でも特にジルコニアを選択すると、破損というリスクはかなり低くなります。
ガラス系セラミックやハイブリットセラミックは、どうしても破損のリスクは高くなります。また、ハイブリットセラミックは変色もしやすいです。
メタルボンドも金属の部分は破損しにくいですが、セラミックの部分は破損しやすいです。よって長持ちさせるという意味では、材料の選択をする際にジルコニアを選択すると良いと言えます。
歯ぎしりや食いしばりの問題
歯ぎしりや食いしばりをしている人は、セラミックの破損のリスクが高いです。
人間の咬む力は、自分の体重くらいあると言われています。そのような力でセラミックに力を加え続けると、どうしても破損のリスクが高くなってしまいます。
歯ぎしりや食いしばりの習癖がある人は、ジルコニアのような強度があるセラミックを選択し、かつ治療後は保護用のマウスピースを作製し、少しでもセラミックに力をかけないことが大切です。
咬み合わせの問題
セラミックの詰め物や被せ物と咬み合わさる歯の形が尖っている場合や、セラミックを入れた側でよく咬む癖のある人は、セラミックが破損しやすいです。
歯の形が尖っている場合は歯の形を修正して、セラミックに力の負担がかからないようにし、咬み癖がある人は食事の際に意識して、均等に食べることが大切です。
虫歯や歯周病の問題
セラミックは従来の金属やプラスチックに比べて汚れが付きにくいため、虫歯や歯周病のリスクは低いとされています。
しかし、自分の歯に比べれば虫歯や歯周病にはなりやすいです。そのため、しっかりとセルフケアができないとセラミックの中で虫歯になって、歯肉が炎症を起こして歯周病を引き起こすことがあります。
虫歯や歯周病になることによって、セラミックの寿命が短くなります。
【まとめ】セラミック歯の寿命と長持ちさせる4つのポイント
セラミック歯の種類や寿命、長持ちさせるためのポイントを解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
ここがポイント!
- 最新のセラミックは、依然と比べて強度や透明感、色調などがかなり進歩しており、歯と遜色のない材料であり、健康保険制度が適応されないものの自費でも受ける価値がある
- セラミック歯の種類は以下の通り
・メタルボンド:セラミックの裏側を白金加金や金合金などで裏打ちして強度を高めたもの
・ジルコニア:ジルコニウム(白い金属)といわれる金属の酸化物であり、強度はあるが透明感や色調に難があったものの最新では改善され、インプラントの土台にも使用されることがある
・ガラス系セラミック:純粋なセラミックで透明感は抜群だが強度が弱い
・ハイブリッドセラミック:セラミックとプラスチックが混合された材料で、ガラス系セラミックより強度があるがプラスチックを含有するため色調が劣る分安価である - セラミックの寿命は個人差が大きく比較が難しいが、一般的な補綴物なら7~8年とされており、劣化や偶発的な力を除いては、メンテナンスで寿命を延ばすことができる
- セラミックの歯を長持ちさせるポイント
セラミック歯の寿命コントロールには「材料の選択」「習癖のコントロール」「日々のケア」の3点が需要で、詳細は以下の通り
・材料の選択:セラミックは材料によって破損や変色のリスクに違いがあるが、その中で最も長持ちするのはジルコニア
・歯ぎしりや食いしばりがある人は破損のリスクが高まるため、ジルコニアなどの高強度のものを選びかつマウスピースで保護して力をかけないようにすることが大切
・セラミックと咬みあう歯が尖っていたり、セラミック歯側で咀嚼する癖のある人は破損のリスクが高いため、歯の形を修正したり食事時に意識して均等に食べることが大切
・セラミック歯は従来のプラスチックより虫歯や歯周病のリスクは低い材料とされているが、自分の歯と比較すると虫歯や歯周病になりやすく、セラミックの寿命を延ばすためにはきちんとしたセルフケアが必要
セラミックは、歯の再現性が高く強度もあることから非常に優れた歯の材料です。しかし、あくまでも人工物であり、いずれは劣化することを念頭に置いておくべきことでしょう。
そこで長持ちさせるために必要なことは、まず安さよりも品質の良いものを選ぶこと、セラミックに不要な力をかけないこと、定期的に適切なメンテナンスを受けることの3つです。また、治療を受ける歯科医院は、実績のある歯科医院を選ぶこともポイントです。
東京歯並び矯正歯科は、豊富なセラミック治療の実績をもつ女性歯科医師が治療を行います。丁寧なカウンセリングや最新機器による的確な診断を基に、最適な治療計画をご提案します。
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