セラミック矯正で出っ歯の歯並びは治せる？

公開日：2022.11.7 更新日：2024.06.11

いわゆる出っ歯の状態は、医学的には上顎前突といい、咬み合わせが正常な位置より明らかに前に出ている状態です。そして、出っ歯では咬み合わせ上の問題だけでなく外観的にも唇が前に出ていたり閉じにくかったりするなどの問題を抱えることになります。特に横顔はただ歯の位置を変えても治らないケースがあり、美しい顔貌を目指すには、治療が長期にわたるため踏み出せない人も少なくありません。
そこで、「結婚式までに出っ歯を治したい」「器具を使わずにきれいになる方がいい」などの希望を持つ人にとっては、比較的短期間で治療が終了するセラミック矯正が選択肢の一つとなりえます。ただし、セラミック矯正で出っ歯を治すためには、メリットとデメリットの双方を理解して検討することは大変重要です。

この記事では、セラミック矯正による出っ歯の治療について解説します。
この記事を読むことで、セラミック矯正による出っ歯の治療のメリットとデメリットや注意すべき点を理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

出っ歯になるとどうなるか？

出っ歯になると、まずは見た目の問題が出てきます。
出っ歯になると、口ゴボと言われる顔貌になり、上顎が前に出るため、顔貌が面長になります。
上の前歯が突出した形になるため、咬み合わせの問題も出てきます。咬み合わせに問題が出ると、食物をうまく咬めなくなり、胃腸にも負担がかかります。また、奥歯でしか食物を咬めなくなるため、奥歯の負担が増え、奥歯が虫歯や歯周病になりやすくなります。

出っ歯の一般的な治療

出っ歯の一般的な治療は、矯正治療です。矯正治療といっても、いつから開始するかで治療方針が大きく異なります。小児期の治療からうまく始めることができれば、顎の成長をある程度コントロールすることで矯正治療を進めていくことができます。
成長期が終了してからの矯正治療は、抜歯を避けることは難しいです。すなわち抜歯したスペースに歯を下げて出っ歯を改善するといった治療です。抜歯してできたスパースでも足りない場合は、骨を切る手術を併用して顎を下げる必要がある場合があります。

出っ歯はセラミック矯正で治療できる？

セラミック矯正は歯に被せ物をすることで、歯の形や軸を修正し、歯並びを整える方法です。全ての出っ歯に適応ではありませんが、軽度の出っ歯には適応となります。ただし、セラミック矯正を出っ歯に適用する場合はメリットとデメリットがあります。

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出っ歯をセラミック矯正で治療するメリット

出っ歯をセラミック矯正で治療すると、次のようなメリットがあります。

治療期間が短い

従来の矯正治療は、治療期間が長いのがデメリットでした。症例にもよりますが、通常は数年にわたって歯を動かしていきます。
セラミック矯正を行うと、場合によっては即日、長くても1ヶ月ほどで被せ物がお口の中に入るので、治療期間を大幅に短くすることができます。

歯の色や形も変えることができる

セラミック矯正は被せ物によって治療するため、歯の色や形もある程度の範囲で修正することができます。通常の矯正治療では、色や形の変化はできないためメリットといえます。

治療中の痛みや違和感が少ない

従来の矯正治療では、必ず矯正装置を使用します。装置が口腔内に装着されると、どうしても異物感や違和感を感じる人は少なくありません。
セラミック矯正の場合は、これらの矯正装置は一切使用しないため、違和感なく治療を受けることができます。また、矯正装置から発せられる矯正力もないため、治療中の痛みもほとんどありません。

後戻りしない

セラミック矯正は被せ物によって歯並びを整えるため、矯正力によって歯を動かしているわけではありません。よって、矯正力をかけた反動による後戻りがありません。
一度、セラミック矯正で並べた歯並びが大きく崩れることはほとんどありません。

出っ歯をセラミック矯正で治療するデメリット

出っ歯をセラミック矯正で治療すると、次のようなデメリットがあります。

治療症例が限られる

骨格的に問題がある出っ歯や重度の出っ歯は、セラミック矯正の適応にはなりません。あくまで、軽度の出っ歯に対してセラミック矯正は適応になります。

歯を削る

セラミック矯正では被せ物をして歯列を整えるため、健康な歯を丸く削る必要があります。
すでに差し歯になっている歯であれば、自分の歯を削る量が少ないため問題ありませんが、全く手を加えていない歯にセラミック矯正を施す場合は歯を削る覚悟が必要です。
セラミック矯正の場合は体に優しい材料であるセラミックで修復するされますが、一般論として、歯を削ると虫歯や歯周病になりやすくなると言われます。

歯の神経を便宜的に除去しなければならない場合がある

特に前歯部にセラミック矯正を施す場合、歯そのものが小さい場合や、歯の軸を変えようとすると、便宜的に歯の神経を除去する必要がある場合があります。
歯の神経がなくなると、歯が弱くなり破折や虫歯のリスクが高くなります。

出っ歯をセラミック矯正で治療する場合の注意点

出っ歯をセラミック矯正で治療する場合の注意点を事前に知っておくと、歯科医院で診察・相談を受ける際の参考になります。

被せ物が壊れた場合

セラミックの被せ物は、どうしても破損というリスクが常にあります。
割れた場合の保証というものは、セラミック矯正を受ける歯科医院に一度確認することをお勧めします。
多くの歯科医院は数年から10年ほどの保証となっているところが多いですが、定期検診やメンテナンスへの来院を条件としているところがほとんどです。

どのようなセラミックを使用しているか確認

偏にセラミックといっても様々な種類があります。
安価のものから高価なものまで、また強度も種類によってかなり異なります。自分の口の中に入るセラミックが一体どのような種類なのかは、治療を受ける前に確認するようにしましょう。

歯科医師の技術に差がある

セラミック矯正は、全額自由診療となります。そして、治療を行える歯科医院や歯科医師が少ないのも事実です。
そのため、セラミック矯正を行う歯科医院や歯科医師を入念に検討する必要があります。

セラミック矯正で後悔と失敗をしないための予備知識

【まとめ】セラミック矯正で出っ歯の歯並びは治せる？

セラミック矯正による出っ歯の治療について解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

出っ歯がセラミック矯正の適応であるかは、その要因や状態によって決定されます。
短期間で美しい歯並びと歯を手に入れることができるというメリットがあるセラミック矯正ですが、歯を削る必要があるというデメリットもあります。また費用も自由診療のため高額です。
そこで、自分の場合にはどのようなデメリットやリスクを伴うのか、きちんと説明を受け、納得して治療を受けることが重要であることは言うまでもありません。

東京歯並び矯正歯科では、患者様の希望にできる限り寄り添うご提案をさせていただいております。例えば、セラミック矯正が適応でも、歯の傾きなどで歯の神経を取らなければならないケースなどでは、基本的に歯列矯正を行なってからセラミック矯正をすることで歯の神経を残すことをおすすめしております。
当院は、セラミック矯正や歯列矯正の実績も豊富です。個々の患者様の状態を精査し、丁寧なカウンセリングを行っていますので遠慮なくご相談ください。

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