マウスピース矯正9ブランドの種類と違いを徹底比較【費用・期間・効果(適応)】

従来、歯列矯正のイメージとして、痛い、装置が目立つといったデメリットが先行し、歯列矯正に踏み切れない患者様もいらっしゃいました。
昨今では、“目立たない” “装置の取り外しが可能”という新しい歯列矯正であるマウスピース矯正のメリットから、歯の矯正を始めてみようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このコラムでは、その数あるマウスピース矯正について、各ブランドの種類とその違いを比較しながらご紹介していきます。
マウスピース矯正選びの参考にしてみてください。
多様化するマウスピース矯正
一括りにマウスピース矯正と呼んでも、患者さん自身で取り外し可能な透明なマウスピース型矯正装置を一定期間置きに交換していくという点は変わりありませんが、実は提供するメーカーまたはブランドによってそれぞれに特徴があります。
例えば、マウスピース矯正の元祖ともいえる“インビザライン”、歯科製品において世界的なシェアを誇るストローマン社が提供する“クリアコレクト”の他にも、通院は1度のみの格安マウスピース矯正と呼ばれる方法も存在します。
それぞれの特徴を理解し、自分に合ったマウスピース矯正を選択して、安全で快適に理想的な歯並びを獲得するのがおすすめです。
そこでまずは、それぞれの特徴(費用、適応範囲、期間、装着時間、小児矯正プランの有無)についてご紹介します。
インビザライン | クリアコレクト | アソアライナー | キレイライン | ローコスト | Oh my teeth | hanaravi | Smile TRU | DENマウスピース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
提供開始 | 1997年 | 2006年 | 1998年 | 2017年 | 2019年 | 2019年 | 2020年 | 2016年 | 2010年 |
開発国 | アメリカ | アメリカ | 韓国 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 | アメリカ | 日本 |
適応範囲 | 奥歯を含む 全顎に対応 |
奥歯を含む 全顎に対応 |
前歯上下12本 | 前歯上下12本 | 奥歯を含む 全顎に対応 |
奥歯を含む 全顎に対応 (抜歯症例除く) |
前歯上下12本 | Level1~2前歯部 小臼歯部まで |
奥歯を含む 全顎に対応 |
シミュレーション による治療計画 |
有 | 有 | 有 | 歯科医院に よって無い 場合がある |
有 | 有 | 有 | 有 | ― |
治療期間 | 3か月〜3年 | 1か月~3年 | 3か月~1年半 | 5か月~ 1年3か月 |
3か月~ | 2か月~ | 3か月~ | 3か月~ | 6か月~2年 |
1日の装着時間 | 22時間 | 22時間 | 17時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 20時間 | 8時間~ |
通院頻度 | 1回/1~3か月 | 1回/2か月 | 1回/1か月 | 2回/45日、 2回/3か月 |
1回/2か月 | 原則不要 | 原則不要 | 1回/2週間 | ― |
費用 | 33万~100万 | 15万〜55万 | 20万~70万 | 21万~38万 | 22万~120万 | 33万、66万 | 33万、66万 | 20万~50万 | ― |
小児矯正への対応 | インビザライン・ ファーストあり |
― | ― | キレイライン キッズあり |
― | 永久歯列完了後 | 15歳~ | ― | 可 |
LCM(ローコストマウスピース矯正)の出現
2016年以降より、LCM(Low Cost Mouthpiece)と呼ばれる、リーズナブルにマウスピース矯正を開始できるローコストマウスピースが様々な国内で展開を始めました。
LCMの強みは、コストが安いこと、価格が明瞭であることなど、患者様にとってメリットがあることも事実ですが、対して適応症例が限られていることはLCMの弱点と言えます。
価格第一で選択をしたことで、治療完了時にもご自身の理想とする歯並びとは程遠く、満足度が低いといったケースもあるようです。そのような場合には、LCMを中断、終了後にインビザラインやクリアコレクトで再治療を行うこととなり、結果として総治療費が高額になってしまうリスクがあります。
マウスピース矯正の賢い選択方法
“マウスピースを使用する方法は同じなのに、どうして価格に違いがあるの?”と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか?
マウスピース矯正の元祖ともいえるインビザラインや、歯科材料の老舗であるストローマン社によるクリアコレクトと、LCMを比較した場合、LCMについては以下の特徴があります。
- 適応症例が限られる
- 抜歯やアタッチメントの併用ができない
- 治療期間の制限(2年以内に完了する場合のみ)
このことから、LCMを選択する場合には、ご自身の歯並びがLCMの適応症例であるか、十分な治療効果が見込まれるかなどを、歯列矯正の経験が豊富な歯科医師に診断を受けることが大切です。
もちろん、LCMだからといって安かろう、悪かろうといったように、治療効果が劣るという訳ではありません。しかし、マウスピース矯正は患者様ご自身でマウスピースの管理を行い、治療を進めていく方法です。適切な装着時間や、マウスピースの取り扱いを行わないと、いつまでたっても歯並びが改善しないといったリスクがあります。
特に、通院回数が少ないLCMの場合には、治療効果が十分に表れていなくても、歯科医師が状況を確認する頻度が少ないため、適切な対応を行うまでにタイムロスが発生することがあります。
従来から行われているワイヤー矯正と同等の治療効果や高い満足度が期待できるマウスピース矯正を行うならば、LCMと比べて高額になりますが、インビザライン・コンプリヘンシブパッケージのようなマウスピース矯正の実績の多い治療を選択することが安心といえます。
【まとめ】9つのマウスピース矯正を徹底比較【費用・期間・効果(適応)など】
今回は、マウスピース矯正を9つのメーカーごとに比較を行いました。
マウスピース矯正メーカーは、マウスピース矯正に様々なブランドやパッケージを提供しています。より高い治療満足度を、コストパフォーマンスよく獲得できるように、ご自身の歯並びに合った治療方法を選択しましょう。
2010年代後半から、LCMが多く出現し、歯列矯正がより身近な治療になってきています。それぞれの特徴を理解し、安全にマウスピース矯正を行い、理想の歯並びへと近づきましょう。