インビザライン・ファースト (ティーン)とは
インビザラインはこれまで、永久歯が生えそろってから行うⅡ期治療において採用されていました。
インビザライン・ファースト(ティーン)は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期から使用できる子ども向けのマウスピース型のインビザラインシステムです。成長過程のお子様の歯並びに関するお悩みを、透明なマウスピース(アライナー)により治療を行います。
歯列弓の拡大によるスペースの確保と、理想的な咬み合わせの誘導を同時に行うことが可能です。
インビザライン・ファースト (ティーン)はこんなお子様におすすめ
- ワイヤーによる歯列矯正装置の装着を避けたいお子様
- 歯列矯正によるう蝕(虫歯)のリスクを最小限にしたいお子様
- 指しゃぶり、舌突出癖など習癖の早期改善が必要な幼児
- できるだけ痛みを少なく治療を行いたいお子様
- スポーツや楽器演奏を楽しみたいお子様
- ダウンタイムの少ない治療がよい
インビザライン・ファースト (ティーン)のメリット
インビザライン・ファースト(ティーン)は、装置の着脱をご自身で行えるため、安心して治療を開始することができます。
目立ちづらい透明なマウスピース
成長期の多感な時期には、装置が目立つことは避けたいお子様もいらっしゃいます。透明なアライナーは、装着していることが見た目には、わかりにくいことがメリットのひとつです。装置をからかわれる心配もありません。
通院回数が少ない
アライナーは、2週間に1度、段階的に新しいものへと交換しますが、治療効果の確認や、クリーニングに来院されるのは1〜3か月に1度の頻度で充分です。
通院回数が少ないため、学校行事や習い事のスケジュールに影響がありません。
痛みが少ない
ワイヤー矯正と比べて、インビザライン・ファースト (ティーン)は、装置装着時の痛みが少ないこともメリットのひとつです。アライナー交換直後は、不快感を生じる場合がありますが、痛みが強い場合にはご自身で取り外すことができます。
う蝕リスクが少ない
萌出したばかりの永久歯(生えたばかりの永久歯)は、歯質が弱くう蝕のリスクが高いと言えます。インビザライン・ファースト (ティーン)では、アライナーを取り外すことで、治療を開始する以前と同様にブラッシング(歯磨き)をすることが可能です。
スポーツや楽器演奏も楽しめる
ワイヤー矯正の場合、転倒などにより、歯列矯正装置により粘膜が負傷することがあります。アライナーは薄い透明なマウスピースでできているため、スポーツや楽器演奏により粘膜を負傷する心配がありません。
インビザライン・ファースト (ティーン)のデメリット
インビザライン・ファースト (ティーン)は、ワイヤー矯正などとは違い、年齢によっては親御さんの管理が大切になる場面が少なくありません。
お子様の理解が必要
取り外しのできないワイヤー矯正と比べて、アライナーは取り外しが可能なためお子様が、装着を嫌がってしまうと治療効果が十分に出ない場合があります。決められた時間は装着できるように親子で協力が必要です。
保護者による装置の管理が必要
推奨されている1日20時間以上の装置の装着は、保護者による管理が必要です。また、アライナーを適切に使用するため、毎日の洗浄や破損の有無など、保護者の方に、適宜確認をお願いしています。
お口の感覚が敏感なお子様には不向き
アライナーは、装着時の違和感が少ない薄いマウスピースですが、お口の感覚が敏感なお子様は、初めは異物感を強く感じる方もいらっしゃいます。調整や、慣れにより不快感は徐々に小さくなることが期待できます。
適応条件が限られる
インビザライン・ファースト(ティーン)を選択する場合、適応条件がいくつかあります。第一大臼歯(6歳臼歯)や、乳歯の生えかわり、永久歯の萌出状況によっては、適応外となることがあります。
紛失や破損に注意
泊りがけの合宿や、修学旅行など学校行事により、装置をお子様ご自身で管理をしなくてはならないことがあります。もしも、アライナーを紛失や破損してしまった場合には、再製作が必要な可能性がありますので、お早めに歯科医院へご連絡いただく必要があります。
インビザライン・ファースト (ティーン)の適応
叢生(八重歯・乱杭歯)
上顎前突(出っ歯・口ゴボ)
反対咬合 / 下顎前突(受け口)
上下顎前突
開咬(オープンバイト)
交叉咬合
過蓋咬合(深い噛み合わせ)
切端咬合
空隙歯列・正中離開(すきっ歯)
正中の不一致
顎偏位 ※骨格性でないものに限る
過剰歯
萌出遅延・埋伏
捻転歯
転位歯
歯の欠損 / 先天性欠如
ガミースマイル
インビザライン・ファースト (ティーン)の流れ
インビザライン・ファースト (ティーン)の治療期間は、概ね1年半程度で完了します。治療完了後は、保定期間としてリテーナーを装着し経過観察を行います。永久歯列期に継続した歯列矯正が必要であればⅡ期治療を開始します。
01
診察・相談
診察・相談では、お子様の歯並びに関するお悩みを、親御さんと一緒に伺います。インビザライン・ファースト (ティーン)に関する疑問は、ご遠慮なくご質問ください。
02
精密検査・資料収集
生えかわり状況や、う蝕の有無を口腔内診査により確認します。印象採得(歯型取り)レントゲン撮影や、口腔内・顔貌写真など診断に必要な資料を揃えます。
03
診断・治療計画
診断により、治療計画を立案しご説明します。インビザライン・ファースト (ティーン)による治療に同意いただきましたら、アライナーの製作を行います。
04
アライナー装着開始
アライナーは到着までに、3〜4週間程度期間を要する場合があります。使用方法や交換時期について担当医から指示を行い、治療を開始します。
05
治療完了・保定
理想的な歯並びを獲得したら、後戻り防止のためリテーナーを装着し、保定します。骨格の成長に伴い、Ⅱ期治療が必要な場合は、永久歯が生えそろってから治療を開始します。
インビザライン・ファースト (ティーン)のよくある質問
子どものインビザラインでは、抜歯をすることはありますか?
1期治療の混合歯列期という乳歯と永久歯が混ざった時期から治療を始めるのではなく、2期治療の乳歯が全て抜けた後の時期から始めた場合は、顎の骨の成長がほぼ終わっているため、歯を並べるスペースが足りない場合は、抜歯してスペースを確保する必要があります。
インビザライン・ファースト (ティーン)を選択できる条件には、どのようなものがありますか?
混合歯列期の場合、以下の3つの条件を満たしていることが必要です。
- ❶第一大臼歯(6歳臼歯)が萌出している(生えている)
- ❷切歯(前歯)のうち、2歯が2/3以上萌出している
- ❸少なくとも3/4顎に乳歯(C、D、E)または、未萌出(まだ生えていない)永久歯(3、4、5)が2歯以上ある
インビザライン・ファースト (ティーン)の治療にご関心をお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。お子様のお口の状態を確認し、治療の適応の有無についてご説明いたします。
インビザライン・ファースト(ティーン)は、何歳から行うことができますか?
基本的には、小学生を想定していただけるとよいかと思います。歯の生えかわりには、個人差があるため、何歳からと明確な規定があるわけではありません。
永久歯に交換が始まる頃から、前から7番目の第二臼歯が生えて永久歯列が完成するまでの期間が適しています。
インビザライン・ファースト(ティーン)を行うことで、大人になってからの歯列矯正が不要になるのでしょうか?
インビザライン・ファースト(ティーン)は、一般的に1期治療と呼ばれる小児期に行う歯列矯正を対象としています。1期治療は、お子様の成長する力を利用して歯を並べるスペースを確保することを目的に行われます。
インビザライン・ファースト(ティーン)は、12歳頃までに行われますが、治療完了後も骨格的な成長が見込まれるため、場合によっては2期治療(永久歯列期に行う歯列矯正治療)が必要になる場合があります。
その場合も、1期治療によって上下の顎のバランスや歯列が並ぶスペースを前もって確保していることで、2期治療の治療期間の短縮や、費用の削減が期待できます。
インビザライン・ファーストの料金・費用
メニュー名 | 本数・回数・内容 | 価格 | モニター価格 |
---|---|---|---|
Ⅰ期治療 ファースト |
片顎 | 605,000円 | 374,000円 |
両顎 | 825,000円 | 497,750円 | |
Ⅱ期治療 コンプリヘンシブフェーズ2 |
片顎 | 605,000円 | 374,000円 |
両顎 | 825,000円 | 497,750円 | |
精密検査・クリンチェック | 55,000円 | ||
リテーナー | – | 55,000円 | |
毎回の診察料 | – | 5,500円 |
インビザライン・ファーストの治療概要
治療方法 | インビザライン・ファースト |
---|---|
治療説明 | 混合歯列期を対象としたインビザラインです。永久歯の萌出スペースの確保など咬合誘導を重視しているのが特徴です。 |
治療費 | 484,000円〜935,000円 |
治療の副作用(リスク) |
・治療の効果がマウスピースの装着時間に依存する ・定期的にマウスピースを交換しなければ効果が得られない ・マウスピースの紛失や破損のリスク |
適応症例 |
・混合歯列期の不正咬合 ・未成年者における永久歯列期の不正咬合 |
ダウンタイム | なし |
不適応の症例 |
・顎変形症 ・唇顎口蓋裂 ・成人後の永久歯列の不正咬合 |