歯が欠ける原因
歯が欠ける、割れるといったトラブルには、お口の状況によって、いくつかの原因が挙げられます。
う蝕(虫歯)
う蝕は歯面にプラークが蓄積し、プラークを餌として細菌が酸を産生します。この酸によって、歯質が脱灰し脆くなっていきます。
その結果、歯の一部が欠ける、割れるといった症状が起こります。
失活歯(神経が死んだ歯)の場合には、歯に歯髄(血管と神経)からの栄養供給が行われないため、歯が欠けるリスクが高くなります。
外傷
外傷による歯の欠けで多いのは転倒です。
転倒による前歯部の直接的な打撲や衝撃が加わり、食いしばりによって臼歯部が欠けることがあります。その他にも、ボールやラケットが当たるなどスポーツ由来の外傷によって、歯が欠けてしまうことがあります。
歯ぎしり・食いしばり
重いものを持つ際など、日常生活の中では、歯を食いしばる瞬間が多くあります。食いしばり時には、歯には自身の体重に匹敵する荷重がかかっています。
また、就寝時に歯ぎしりの習慣がある場合には、継続的に力が加わることで、咬頭(歯の峰の部分)がすり減り欠けていきます。
補綴物の設計不良
歯根の長さや太さ、残存歯質に対して不適当な補綴物(詰め物、被せ物)がセットされている場合には、歯の欠けが起こりやすくなります。
ジルコニアなど硬度の高い補綴物がセットされている場合には、咬合を十分に考慮しないと、対合歯(咬み合う歯)が欠けてしまうことがあります。
歯が欠けた症状とリスク
歯が欠けると、痛みやしみるといった症状が起こります。症状がない場合でも放置せず、歯科医院を受診することがお勧めです。
う蝕
歯質が欠けている場合、欠けた箇所は歯質の表面が粗造になっています。歯質が粗造な場合、プラークの付着が起こりやすく、う蝕の好発部位になるリスクがあります。
歯質が欠けてしまったことで、う蝕になると神経までの距離が近いため、進行が速い可能性があります。
歯髄炎・根尖性歯周炎
歯質が欠けてしまった歯がう蝕になると、進行が早く歯髄炎や根尖性歯周炎になるリスクが高くなります。特に歯髄炎の場合には、強い痛みが起こります。
歯髄炎よりも進行し、感染が根管(歯根にある歯髄が入った空間)の先から歯槽骨に波及した場合には、痛みや咬み合わせた際の不快感が発生します。
知覚過敏
歯質が欠けてしまうと、歯の表面から象牙質や神経までの距離が近くなります。冷たい飲食物や冬場の冷たい外気などが歯面に当たると、キーンと歯がしみるといった知覚過敏症状が起こりやすくなります。
歯の表面をコーティングすることで症状が改善します。
口内炎
歯を欠けた場合、切縁が先鋭なことがあります。その場合、会話や食事の際に舌が当たり口内炎になることがあります。同様に、頬粘膜(頬の裏側)に歯質のとがった部分があたり、粘膜を傷つけることも想定されます。
しみる、痛いといった症状がない場合でも、歯の切縁を研磨しておくことが口内炎の予防には有効です。
歯の修復
当院では歯が小さく欠けた場合には、下記の修復治療により審美的・機能的に形態を回復します。歯の修復は、う蝕や知覚過敏にも効果的です。
セラミックインレー
セラミックインレー
インレーは、う蝕を除去するために歯質を切削した場合、欠損歯質を補うためにセットする補綴物のことです。
審美性や安全性に優れたセラミックインレーは、金属アレルギーがある患者様にも適応可能なインレーです。
ラミネートベニア
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、エナメル質の範囲内で歯を切削し、セラミックでできたネイルチップ様の補綴物を合着します。
前歯の欠けに適応されることが多く、歯の形態や色調を再現することに優れています。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディング
歯は歯頚部から切縁まで、微細なグラデーションによって色調が異なります。
歯が欠けた部分に、複数のシェード(色調)のコンポジットレジンを積層充填し、色調を再現する方法をダイレクトボンディングと言います。
歯が欠けた時の注意事項と対処法・応急処理
転んで歯を打ったときや虫歯だけでなく、硬いものを思わず噛んでしまったときなど、歯が欠けてしまうことがあります。
歯が欠けたときはどのようなことに注意して、対処をすればいいのでしょうか。
欠けた歯で噛まない
欠けた歯は、欠けた部分から亀裂が走っていることがあります。ヒビの方向によっては、一見してもわかりません。もし、欠けた歯にヒビが入っていた場合、その歯で噛むとヒビが広がり歯が割れてしまう恐れがあります。
欠けた歯では食べ物を噛まないように気を付けます。
欠けた歯が痛いときは痛み止めを使う
歯が欠けた後、痛みがあるようなら歯科医院を受診しなくてはなりませんが、それまでの間は痛み止めの薬を使って痛みを和らげるようにします。
冷やしたい場合は、氷水や氷枕を使うと冷えすぎてよくないので注意します。
欠けた歯の破片があれば保管する
歯の欠けた部分が見つかったら、捨てずに歯科医院に持参するようにします。
持ってきていただいても、必ず付けられるというわけではありませんが、欠けた状態によってはもう一度つけることができる場合があります。
欠けた歯を放置しない
歯の欠け方によっては、舌触りが悪いだけで痛みなどの自覚症状に乏しいことがあります。
たとえ痛んだり、しみたりしなくても、歯にヒビが入っていることもないわけではないので、放置しないで歯科医院を早めに受診するようにします。
欠けた歯をきれいに保つ
歯の欠け方によっては、欠けた部分に食べ物が挟まりやすくなることがあります。欠けた部分だからといって、食べ物が挟まったままにしていると、虫歯になるリスクが高まります。
欠けた部分に食べ物が残ったままにならないように、優しくブラッシングするようにします。
欠けた歯を舌で触らない
欠けた部分がするどく尖っていた場合、そこを舌で触ると舌を傷つけてしまうリスクがあります。
傷を増やさないためにも、歯の欠けた部分を舌で触ったり、唇を当てたりするのは避けるようにします。
欠けた歯がぐらぐらしていたら触らない
欠けた歯が、ぐらぐらと動いていることがあります。
ケガで打ったことで動き出すこともあれば、もともと歯周病で弱っていて動いていたということもあります。歯が動いているなら、触らないようにします。舌で押すのもやめます。
欠けた歯にかかる入れ歯は外す
部分入れ歯の場合、クラスプという金具が歯にかかっています。
もし、欠けた歯にクラスプがかかっているなら、入れ歯を入れると歯にさらにダメージが加わる可能性があります。欠けた歯の安静を図るためにも、その入れ歯は入れないようにします。
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/wp742096/venalo.net/public_html/wp-content/themes/clinictheme/page-case.php on line 13
Warning: Attempt to read property "slug" on null in /home/wp742096/venalo.net/public_html/wp-content/themes/clinictheme/page-case.php on line 13